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【ホラーSS】 整形女

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男「別れよう」

 

ある日、自宅で二人きりで映画を観ていた時、彼が唐突にそうつぶやいた。

 

私は、最初は何のことだが分からなかったが、彼の横顔を見て、その言葉の意味を理解した。

 

私「どうしたのよ突然、それ本気で言ってるの?」

 

男「本気だよ」

 

彼は即答だったが、もうすぐで付き合い始めて半年になるという時に、なにがきっかけでそんなことを言い出したのかが分からない。

 

私「そんなこと急に言われたって、分かった、別れましょ、なんて言えるわけないでしょ!私のどこが不満なのよ!」

 

男「正直、顔がタイプじゃないんだ。勢いで付き合ってしまったけど、今は他に好きな子がいるんだ、ごめん」

 

私「そんな理由で納得できるわけないでしょ!だったら私が告白した時にそう言ってよ!なんだったのよこの半年間は!」

 

あまりの理不尽さに、私は声を荒らげてしまった。

 

男「とにかくもう決めたんだ。今までありがとう」

 

彼はそういうと、私の家を出ていった。

 

私は、この辛い現実を受け入れることができず、しばらく放心状態になった。

 

顔がタイプじゃない。彼はそう言った。たしかに私は自分を可愛いと思ったことがない。

 

私「(だったら、今ある貯金を整形につぎ込んで見返してやる!)」

 

彼への未練がタラタラだった私は、そう決心した。

 

しかし、整形というのは、かなりのお金がかかるという。私の貯金額で整形できるところなんてあるのだろうか。

 

インターネットで整形についてのホームページを見漁っていると、あるサイトが目に入った。

 

【激安整形!あなたの人生を大きく変えてみせます!】

 

私「(なによ、このいかにも怪しいサイトは、ヤブ医者なんかじゃないでしょうね)」

 

怪しいとは思ったが、私の貯金額でできるところはここ以外になかった。

 

不安に思いながらも、私は記載されていた住所へと向かった。

 

私「(なによここ、病院というよりはただの怪しげな倉庫じゃない。やっぱりもう少しお金を貯めて別のとこでやってもらった方が...)」

 

しかし、彼は新しい好きな子ができたと言っていた。お金を稼いでいる時間はない。

 

選択の余地は無かった。

 

私「こんにちは~」

 

?「は~い」

 

倉庫の奥の方から声が聞こえた。

 

すると白衣を着た男性が、小走りで私の方へ向かってくる。 

 

医者「おまたせしました。当院で整形の手術をしている者です。今日は整形をご希望でこちらに来られたのですか?」

 

私「そうです。予約してなかったのですが、今日手術は可能ですか?」

 

医者「はい。大丈夫ですよ。ちょうど今日は予約が入っていなかったので」

 

好青年な印象のその医者を見て、私は少し安心した。

 

私「そうですか。それでは今からお願いしたいです」

 

医者「かしこまりました。顔のどこの部分を整形しますか?」

 

私「全部です。いじれるとこは全部整形して可愛くなりたいんです」

 

彼を見返そうと焦っていた私は、今すぐにでも可愛くなりたかった。

 

医者「だいぶお急ぎのようですね、かしこまりました。それでは今から手術を始めます。手術室へご案内致しますので、私に付いてきてください」

 

そう言うと、私は倉庫の奥のにある、少し汚めの手術室へと案内された。 

 

医者「それでは早速手術を始めますね。麻酔を打ちますのでリラックスしててください」

 

その言葉を最後に、私の意識は遠のいていった。

 

ーそれから8時間後ー

 

医者「おはようございます。手術は無事に成功いたしました。訳あって後一時間はそのマスクを付けたままにしておいてください。」

 

私は意識が朦朧としていたが、口周りに変な違和感を覚えた。しかし整形は痛いものだと聞いていたので覚悟はしていた。

 

医者「とても綺麗に仕上がりましたよ」

 

嬉しくてたまらなかった。これで彼を見返すことができる。

 

私「本当にありがとうございました。こんなにお安い値段でやっていただいて、これで生まれ変わることができそうです」

 

医者「安いのがうちの売りですからね。喜んでいただいてなによりです。それではお支払い5万円でございます」

 

お金を払い、その施設を後にした。

 

彼はこの時間帯になると、いつもレンタルビデオショップに足を運ぶという事を知っていた私は、彼を驚かそうと、彼がいつも通る道で待ち伏せしていようと考えていた。

 

私「(ちょうどマスクを外せる一時間後に彼があの道を通る!生まれ変わった私を見せて絶対によりを戻してやる!)」

 

そして一時間が経ち、時刻は夜の七時。彼がこっちに歩いてきているのが見えた。

 

私は興奮しながらも、電柱の裏にひっそりと隠れて待ち伏せしていた。

 

彼が私の横を通り過ぎるのと同時に目が合った。

 

そして私はマスクを外しながらこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

私「わたし、きれい?」

 

 

 

 

 

 

 

彼は悲鳴をあげながら、全速力で私のもとを去っていった。

 

その日から私は、この町で口裂け女と呼ばれるようになった。